必要最小限

【取締役】及び【代表取締役】については、株式会社に対する説明です。

取締役

取締役に関する会社法の規定及び取締役の決め方を解説します。

会社法の規定

(取締役の資格等)
第331条 次に掲げる者は、取締役となることができない。
一 法人
二 成年被後見人若しくは被保佐人又は外国の法令上これらと同様に取り扱われている者
三 この法律若しくは一般社団法人及び一般財団法人に関する法律の規定に違反し、又は金融商品取引法第197条 、第197条の2第1号から第10号の3まで若しくは第13号、第198条第8号、第199条、第200条第1号から第12号の2まで、第20号若しくは第21号、第203条第3項若しくは第205条第1号から第6号まで、第19号若しくは第20号の罪、民事再生法 第255条 、第256条、第258条から第260条まで若しくは第262条の罪、外国倒産処理手続の承認援助に関する法律 第65条 、第66条、第68条若しくは第69条の罪、会社更生法 第266条 、第267条、第269条から第271条まで若しくは第273条の罪若しくは破産法 第265条 、第266条、第268条から第272条まで若しくは第274条の罪を犯し、刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者
四 前号に規定する法律の規定以外の法令の規定に違反し、禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者(刑の執行猶予中の者を除く。)
《解説》
上記第四号の『禁錮以上の刑』とは、刑罰を罰の重い順に列挙すると、”死刑、懲役、禁錮、罰金、拘留、科料”となるため、”死刑、懲役、禁錮”が該当します。
上記規定に該当する者は、取締役になる事ができません。上記規定に列挙されていない未成年者は取締役になる事ができますが、以下項目「未成年者に関する民法の規定」に注意する必要があります。

(設立時役員等の選任の方法)
第40条 設立時役員等の選任は、発起人の議決権の過半数をもって決定する。
2 前項の場合には、発起人は、出資の履行をした設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。
《解説》
『単元株式数』とは、例として1単元を100株とした場合は、100株にて1議決権を有することになります。証券取引所に上場している大手企業の場合は、株主の管理コストを下げるため設定している場合が多いですが、会社設立時においては特に必要となる事はないと思います。

未成年者に関する民法の規定

(未成年者の法律行為)
第5条 未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。
2 前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。
3 第一項の規定にかかわらず、法定代理人が目的を定めて処分を許した財産は、その目的の範囲内において、未成年者が自由に処分することができる。目的を定めないで処分を許した財産を処分するときも、同様とする。
(未成年者の営業の許可)
第6条 一種又は数種の営業を許された未成年者は、その営業に関しては、成年者と同一の行為能力を有する。
2 前項の場合において、未成年者がその営業に堪えることができない事由があるときは、その法定代理人は、第四編(親族)の規定に従い、その許可を取り消し、又はこれを制限することができる。
《解説》
上記の第5条により、原則として未成年者の法律行為は取消すことができます。例外として、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為は取消すことができません。
よって、未成年者が取締役になるには、法定代理人(親権者)の同意を必要とします。ただし、何才でもなれるという訳ではなく、15才未満の者はなることができません。これは、市町村役場にて印鑑登録できる者は15才以上であるため、定款認証及び設立登記に必要な印鑑証明書が取得できないためです。

取締役の決め方

上記会社法および民法の規定により、以下条件を満たす必要があります。
@取締役の資格を有すること
A未成年者の場合は、15才以上で法定代理人(親権者)の同意があること

上記条件@及びAを満たす場合は、上記の会社法 第40条の規定に基づき、発起人の議決権の過半数で決定します。
発起人が取締役となる事も可能ですし、また、適任者がいる場合は、委託することもできます。また、1人で会社設立する場合は、自らが発起人となり、かつ、取締役となる事もできます。

代表取締役

代表取締役に関する会社法の規定及び代表取締役の決め方を解説します。

会社法の規定

(設立時代表取締役の選定等)
第47条 設立時取締役は、設立しようとする株式会社が取締役会設置会社(委員会設置会社を除く。)である場合には、設立時取締役の中から株式会社の設立に際して代表取締役(株式会社を代表する取締役をいう。以下同じ。)となる者(以下「設立時代表取締役」という。)を選定しなければならない。
2 設立時取締役は、株式会社の成立の時までの間、設立時代表取締役を解職することができる。
3 前二項の規定による設立時代表取締役の選定及び解職は、設立時取締役の過半数をもって決定する。

代表取締役の決め方

上記の会社法 第47条に基づき、取締役の過半数で決定します。取締役会を設置しない場合は、代表取締役の設置は任意ですが、対外的に代表権を有する者を明確にするため、取締役会を設置しない場合も選任する事をお勧めします。

 
inserted by FC2 system